『もうひとりの息子』公開が決定しました

昨年の第25回東京国際映画祭で、見事〈サクラグランプリ〉と〈最優秀監督賞〉をダブル受賞した『もうひとりの息子』の公開が決定しました。
晩秋、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開です。

本作の題材となっているのは“取り替え子”。
イスラエルに住むフランス系ユダヤ人の女性が、愛する一人息子が他人の子供であること(出生時に、病院でパレスチナ人の赤ん坊と取り違えられていた)を知るところからストーリーが始まります。事実を受け入れられない夫、そして両親の実子でないことに大きなショックを受ける息子。取り違えられた相手の家族にもその事実が伝えられ、2つの 家族は自らのアイデンティティをめぐって苦悩します。

本作は、絶えず緊張や衝突が続くイスラエルパレスチナの民族問題を背景に、
世界がいまだ解決できない困難な問題を、家族という小さな単位の身近な問題としてとらえ、揺れ動く人物の姿を繊細に描いたオリジナルストーリー。
そして、いま世界に必要な希望を感じさせる感動作です。

監督のロレーヌ・レヴィはユダヤ系フランス人で、本作が4本目の監督作。グランプリ受賞時に「この賞をイスラエルとパレス チナの子供たちに捧げたい」と語っています。出演は、揺れながらも母の愛の強さを自然に溢れさせるイスラエル側の母親に、現在のフランスで最も尊敬を集める 女優の一人であるエマニュエル・ドゥヴォス、その息子を『ぼくセザール 10歳半 1m39cm』(03)の子役だったジュール・シトリュックが繊細に演じています。

昨年の東京国際映画祭上映時は、審査員の評価のみならず観客からも広い支持を集めた本作品。
公開に向けて詳細が決まりましたらまたお知らせいたします。